• 最新トラックバック

  • FC2カウンター

  • 検索フォーム

  • QRコード

    QRコード

--/--/--(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Home | Category : スポンサー広告 |  Comment  |  Trackback
2009/09/27(Sun)

実録  伝説のサーファー

1988年12月 冬  時折、小雪の舞う寒い日。



友人を乗せ、夜中の高速道路を千葉方面へと走らせていた。

昨晩の天気予報で絶好の低気圧の只中にいることは判っている。



目的地は部原(へばら)海岸。



期待と不安が入り混じり、二人とも いつも以上にテンションが上がって饒舌(じょうぜつ)に

なっていた。



まだ夜も明けないうちに海岸に到着。



ヘッドライトに照らされてブレイクする波を見た時、それまで喋りっ放しだった俺たちは

急に無口になった。



暫(しばら)く砕ける波に吸い寄せられる様に魅入った後、友人が


「明るくなるまで ちょっと寝るか。体力 キープ、キープ」。


前日遅くまで仕事をこなし、寝ずに海に入るのはキツい。  


そうしよう。




言ってはみたものの、数時間後に この海に入る自分を思うと既に興奮が治まらず

寝るどころではない。

友人は5分もしないうちに寝息をたてている。


実は、彼は今日 私を撮影するためにここまで付き合ってくれたのだ。

もちろん、撮影が無事に終わったら一緒にサーフィンをする予定で。

一眼レフ 三脚 500mmの望遠レンズ。36枚撮りのフィルムを2本。

デジカメなんて、なかった時代。

レンズだけは高価なものだから、カメラ屋のレンタルで借りてきた。




結局、一睡も出来ないまま、朝を迎えてしまった。


ドアを開けて表にでた途端、真冬の寒さが身体と心を引き締めてくれるようだった。

無言で着替え、ブルーのリンコンキャリア(当時、流行っていた)のフックを外し、

入念にワックスを塗る。


「ホントにやんの?」


何故か友人は妙な笑いを浮かべて俺に聞いた。


「うん。今日しか無いから」。


それを聞いた友人は、モゾモゾと助手席から起き出し、カメラをセットし始めた。


逸(はや)る気持ちを抑え、入念な準備運動を終えて海に向かって歩き出す。


「じゃ、頼むわ」。

「OK。気ぃ付けてな」。






勢い良く海に飛び込み、パドリングをしながら

「鎖ぃーに繋がれーてー オマエは 生きるのぉかーいー … 」

大声でエーちゃん(矢沢永吉)の曲を歌った。

この波の音だ。どうせ誰にも聞かれちゃいない。



ここからは一人なんだ。



手前は結構キツかったが、思っていたよりもカレントが強い。

セットの合い間を縫ってゲッティング。


(この辺(あた)りだな … )


振り向くと、カメラを覗き込む友人を遠目に捉える。

波待ちしながら幾つかのセットを遣り過ごす。


2つ目が良さそうだ。









( これだ )





向きを変え、全力でパドル!



一発目、テイクオフ!

(ブレイク … 速い!)

一瞬で呑まれた。



もみくちゃにされながら堪える。いつもの波とは全く別物だ。

激しく咳き込み、無様(ブザマ)に白い鼻水を垂らしながら、漸(ようや)く水面に顔を出す.。



次の波も その次も 同じ事を繰り返す。


「なにやってんだよっ!」    

鼻水と、耳に入った海水の「クー」と云う、音にならない中で、大声で自分に怒る。


( 今日しか無いんだ )


ゆっくりと、呼吸を整えながら次の波を待った。







( 今度こそ )



パドリング全開!


テイクオフ







タッ  タタッ



足の裏から ボードのボトムを叩く波の感覚と波を裂く音だけの刹那の静寂の世界。




波のフェイスを慎重にメイクしながら グッ と体重を乗せてボトムターン。


そのまま一気にトップに走り、吹き飛ばされる様にプルアウト。



その後 幾度かの波を捕まえ、体力の限界が来た。





戻ろう。




友人も、俺が戻る姿を見て ウェットスーツに着替え始めている。







至福の時間  … 有難う。部原。









数日後、仕上がった写真を取りに行った。


















波、しょの 1
ショボい波





「オマエな、36枚撮り2本も使ってベストショットがコレかよ!」


「だってさあ、望遠レンズって、追っかけるのムズかしいんだもーん」


「もーん」って。


スープじゃんか。 すうぷ。


おまけにオレ、 おじぞうさん。




コッチは5mmのウェットスーツの上に使い古しの背広着てネクタイまで締めて

挙句の果てには使い古しのアタッシュケース提げて海入ったのに。

波、キツくて腹とボードに挟んでたケース、どっか流されちまったじゃねえか。













…  バカです。













ジツはこれ、本当に実話&実写なんですけど、

「普通の年賀状じゃ、面白くない」

と思い立ち、あっと言わせるものを送りたくて こんなコトをしてしまいました。

「今日しか無いんだ」 は、年賀状の印刷受付締切日が迫ってたからなんです。



実際のサイズはセットで肩~アタマ。

当時のゴワゴワしたウェットスーツの上にスーツ(せびろ)を着込んでサーフィンすると、

あんなにしんどいモンだとは思いませんでした。


予定では 「波のフェイスをアタッシュケース持って笑顔で手を振る」 だったんですが、

もう、 ね。 いっぱいいっぱい。


当日は風邪気味て結構ツラかったんだけど、おまけに こんなバカバカしい事だった

んだけど、300枚出した年賀状はみんな喜んでくれて嬉しかった。






伝説の ばかやろサーファー 誕生。






今は事務所のパソコンの背景にしています。

ボードも、大事に持ってます。(もう、体力も無いくせに)





最後に、当日海に入っていた3人のサーファーの人、恥ずかし紛れに




「サーフィン雑誌の記事に載せるんですよ」




と、嘘をついてごめんなさい。



波、しょの 2









スポンサーサイト
Home | Category : 伝説シリーズ |  コメントアイコン Comment8  |  Trackback0
Home Home | Top Top
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。